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事例29 父親から女児への性的虐待が疑われたケース

事案の概要

鑑定対象者:未就学 女児

鑑定対象者が陰部の痛みを訴えたため、母親が確認すると発赤や腫れを認めた。新生児期より皮膚が弱くオムツかぶれしやすい体質ではあったが、これまでのかぶれとは異なる発赤や腫れと感じた。

同時期より、鑑定対象者にチック・夜泣き・父親と2人になることを嫌がる・成人男性を怖がる様子などが見られていたため、父親への不信感を母親は抱くに至った。

鑑定対象者本人から、父親による行為に関する直接的な訴えは聞かれなかった。

また、受診した一般小児科でも「外性器に外傷を疑うような明らかな異常は認められない」との診断であった。

 

父親は性的虐待を否定しましたが、母親は父親と鑑定対象者を物理的に離したいと考え、第三者の専門家による意見を求め、医療鑑定の依頼となりました。

検討の結果

小児科受診時の資料がなく、精神科のみの評価となる。

子どものこころ専門医等の資格を有する精神科専門医が精査を担当し、医学的所見を含め検討材料が少ないながらも、以下のような見解を提示しました。

  • 今回の鑑定では父親の性的虐待を積極的に肯定するまでは至らないものの、性的虐待を否定することもできない
  • したがって、性的虐待の事実がないにも関わらず、父子関係を損なわせることは避けなければならない
  • よって、児童相談所や裁判所など中立性のある第三者がしっかりと介入し評価を行った上で、父子の関係性を決定されることが望ましい

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このところ、性被害に関するニュースがマスメディアでも多く取り上げられています。

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