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事例8 【真実を読む】生前の意思能力鑑定 30年前の古傷が・・

会社経営をしているAさん(52歳・男性)は今後の会社の株式譲渡や事業継承をトラブルなく行うため、メディカルリサーチによる意思能力鑑定を受けました。

元来健康であり、健康診断や採血など日頃から健康には気を使っているAさん。まずはFDG-PET検査によって脳の器質的な脳機能状態を評価しましたが、その結果・・・

過去に脳を損傷したと思われる所見が見つかりました。(画像1)
Aさんは当初、思い当たる節が無いように思いましたが、実は30年前に交通事故をした過去があったのです。これはご本人も記憶から薄れてしまうくらい昔の出来事でした。幸いにも今回見つかった損傷は脳への影響が出るものではありませんでした。

さらに精神科医による構造化面接を行い認知機能や精神疾患の診断を行います。こちらの検査は特段問題なく終了したAさん。

二つの検査を合わせて受けることで「判断能力に問題ない」ということが医学的に証明されました。診断内容は医師の顕名による診断書を作成し、仮に裁判になったときは意思能力の有無をはっきりと証明することができます。

今回、30年前の古傷は脳機能に影響がないことが証明できましたが、もし今回のようなケースが死後になって争われていた場合・・外傷による所見ではなく、認知機能の低下と判断されてしまっていたかもしれません。
相続問題の争いを未然に防ぐ手立てとして、少しでも多くの方に知っていただけたらと思います。

画像1:矢印部分、側頭葉の一部に集積低下を認める。